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木材まめ知識(第3回 木と居住性)

木材まめ知識(第3回 木と居住性)

木材まめ知識の第3回目となります。今回は当社で行っている「住まいの勉強会」の中でお伝えしている、「材質による居住性の比較」についてお話していきたいと思います。

静岡大学農学部による「材質による居住性」に関する研究

3種類の様々な材質の箱の中で変化していく健康状態

この実験はマウスを様々な材質でつくった箱で飼育し居住性を比較して、どのような影響を与えるかを研究したものです。

3種類の箱は木・金属・コンクリート。全ての箱の大きさは縦300mm×横170mm×高さ110mmで、箱の材質以外は温度・湿度等、全て同じ条件ではありますが、それぞれ箱を10個づつ用意してその中でマウスを飼育し、それぞれの箱を観察していきます。そして大きな違いが現れたのは、親マウスが2世代目仔マウスを産んでからの生育の状況です。

下の横棒グラフを見てみます。このグラフは材質ごとに飼育した仔マウスの生存率の推移を示しています。生後23日目では、木で生まれ育った仔マウスの生存率は85.1%、金属は41%、コンクリートは6.9%でありました。コンクリートの箱では130匹生まれた仔マウスが9匹しか生き残りませんでした。

 

 

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生存率の他にも、体重の推移・開眼日・子宮重量・卵巣重量・精巣重量・マウスの行動などでも、木の箱の環境下で育った仔マウスの方が、金属・コンクリートの箱で育った仔マウスよりも優位な実験結果が出ました。

 

 

この結果から、木は健康や子供の生育環境として高い居住性を併せ持つとても優れた素材であると言えます。

 

 

材質による差が出る理由

材質による性能の違いがありますが、仔マウスの生存率に大きく影響を与えた要因は「温度・湿度」です。

仔マウスは哺乳期間中、絶えず体の表面をそれぞれの材質の箱に接触しているので材質の性能の影響を受けます。そのような中、木材のもつ湿度調整機能や熱伝導率の低さが、金属・コンクリートと比べ優れていたことが、仔マウスの生存率の差に出たと考えられます。

それではコンクリート打ちっ放しの環境下ではダメではないかと言われますがそんなことはありません。このマウス実験では続きがあり、コンクリートの箱の床に木を内張りすることで、木の箱と変わらない発育を示し内張りの効果がありました。

よく「木には温かみがある」と言われますが、実際手で触れると本当にそのように感じます。当社ではこのような優れた木という素材を大切にして、皆様の家づくりのお役に立てればと考えております。

最後までお読みいただきありがとうございました。

 

出典:「生物学的評価方法による各種材質の居住性に関する研究~マウスの育成成績による評価~」伊藤 晴康・森 誠・有馬 孝禮・水野 秀夫

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